シュガーコーテッド毒キノコ

琴深は毒キノコです。お砂糖まぶしてあります。

誰も教えてくれなかったけど、体力つけるのは大事だよ。

何を当たり前の事言ってるんだって思うかもしれない。



体力があるって、大事だ。



どんな仕事をするにも、結局は体力がなければ難しい。
体力さえあれば、仕事のために勉強だって出来る。
勉強するのに必要な資金を稼ぐのだって、体力がものを言う。



私は大学卒業してから11年の間に、いくつもの仕事をした。
何度も仕事を辞めては始めたということだ。

私は、(ブラック企業をやめた2回と、契約期間満了のパターンを除き)、仕事内容のマズさではなく、「身体が持たないから」で辞めざるを得なかった。

通勤する体力が無いのだ。
もっと言うと、前日普通に動くと、
次の日は、支度をする為に起き上がり、風呂に入り、コンタクトを入れ、化粧をし、着替えるという一連の流れをする為の体力が残らないほど、疲れやすかったのだ。
数日動けたら、そのあと1.5〜2倍の日数は寝込んだ。


今でこそ、体力に見合った働き方を探していたら徐々に健康になり、普通に働けている状態に近くなったけれども、ここまでの道のりは長かった。


不健康は、医療費がかかる。
なのに稼げる体力が無いから、貧乏になる。





たまたま、こないだの土曜日、いつもの薬だけ出してもらいに病院行った。
症状はもうずっと安定していて、この状態キープの為に弱い薬を少量貰うだけだから、診察もほぼ雑談だった。

医者ほど体力勝負の世界はなかなか無いと思うと私が言ったら、
「やっぱり頭は良くてもねぇ、身体の方が持たなくて学生の頃に諦めた奴はいたよ」と。
「俺らの学生の頃はさ、とにかく身体鍛えろって言われたんだよ」とその院長は語ってくれた。
薬どうするとも一言も話すことなく、前回と同じのをプリントしてある処方箋にポンとハンコを押してくれて診察?雑談?終了。
「先生、ちゃんと食べて休んで下さいねー」と、どっちが患者かわからない挨拶しつつ診察室を後にした。



若いうちに、

「勉強しときゃ良かった」
「本を読んでおけば良かった」
「旅しておけば良かった」
「貯金しておけば良かった」
「あの資格は役に立ってる」
などは、教えてくれる人がいた。



もしかして、勉強とか読書って、みんな、なかなかやらない事なのだろうか?
やる気にならないものなのだろうか?
だから、わざわざみんな忠告するようになったのか?

私は、当たり前のように、ある程度は勉強はしていた。
成績は可もなく不可もなく、偏差値も平均にすれば60くらいで。



体育だけはどうにも、壊滅的にダメだった。サボらない事と、保健の筆記はきちんとしていたことで、1が2に、2が3になっていた。

体育の授業を休むためなら死を望むほど嫌だった。苦手だった。嫌いだった。
運動神経がめちゃくちゃ悪い。体力もない。筋力もない。

そんな私に、「あとからやっておけば良かったと思うからやっておくと良いよ」と、体育や運動について語った人はいなかった。

そんな本も読んだ事が無かった。

図書館にある児童向けの本や、書店で手に入る小説やエッセイでは飽き足らず、ビジネス書も育児書も料理や家事の本も片っ端から読んだのに。

それでも、「身体鍛えておけ」とか「若いうちに鍛えておけばよかった」と教わった事は無い。

私がたまたま出会わなかっただけかもしれない。

現に土曜日に会った院長は、医学部生時代に身体鍛えろと言われているから。



私にはさほど苦では無かったどころか好きですらあった、「読書」や「勉強」。
世間では、苦痛でやりたがらない人が多く、おそらくそういう人が多数派なのだろう。

体育の授業を真面目にやれば良かったなんて話はついぞ聞く事が無かったのはきっと、そのせいだ。




みんな、もっと、体力をつける大切さを、若い子に伝えるべきなんじゃなかろうか。

体力があるとか、風邪をひきにくいとか、休みの日に打ち込める好きなスポーツがあるというのは、大きな財産だ。
何より、社会人になってから一番役に立つ。


基礎の体力があるってだけで、働き続けられる。
スキルアップだって出来る。育児しながらでも、働きながらでも、合間に勉強する元気が出る。創意工夫してこなすだけの余裕も生まれる。
体力があるだけで、人生は随分楽になる。



もちろん、勉強は大事だ。塾講師、家庭教師をしてるから、大事さはよーくわかっている。
そうでなきゃ教えないもの。





でも、勉強と同じかそれ以上に、体力つけとくのは大事って言うべきだと思う。


資格や学歴で仕事は見つかるかもしれないが、
そこに通勤するための元気は、資格や学歴では保証されないのだから。


私は、30歳過ぎた今が、人生で一番健康だ。
だけと、

体力欲しい!
今よりももっと。

せめて、休みの日に寝込んでないと無理になってる今の状態から、もう少しだけ動けるようになる程度の元気が欲しい。